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Spinnup アーティストインタビュー:Asuka Louis

今年6月にリリースしたフルアルバム『LAST EMO』をもってクリエイターとしての活動に突如幕を引いたことでファンを驚かせた ”MICK” が “Asuka Louis(アスカ・ルイ)” として音楽アーティストとしての活動を本格始動させた。多くのフォロワーがSNSを中心に彼の新たな動向を気にかけ、活動再開を心待ちにしてきたが、わずか2ヶ月あまりの間にデビューEPとなる『ROCK BAZOOKA!!』を完成させた。これまで多くを語ることのなかった ”Asuka Louis” に、初となるロング・インタビューを敢行した。

 

まずは ”Asuka Louis (アスカ・ルイ)” というアーティストネームに込められた意味やコンセプトを教えてください。

これに関しては全部を語ろうとするとキリが無いのですが、 “Asuka” には「飛鳥」、「安宿」、「アスカ」という3つキーワードにそれぞれ異なる想いが込めてあります。

ひとつめの「飛鳥」は、EP最後の曲の「iNORI」歌詞にある通り、フェニックスを意味しています。今年の4月頃、もう死んでしまおうと思っていてー、実際に何度か試した事もあったんだけど、結局失敗しちゃったんです。でもその過程で、自分に果たすべき運命があるということを見出すことが出来た。それを遂げられたときにこそ、いつ死んでもおかしくないっていうか。だから同じように、これまで沢山の人に夢や希望を与えることができた、MICKとしての使命はもう終えたと自分は思っているわけで。フェニックスは日本語で書くと「不死鳥」。でもみんなも俺も、永遠に死なないわけではない。だから飛ぶ鳥と書くことで ”一時的なフェニックス” を表現しているんです。
実は鳥というモチーフは自分自身、そして俺の尊敬する親父にとっても、すごく関わりの深いものなんです。空に自由にはばたくような、同時にトリップして飛んでいくような、ふたつの意味を感じられる 「飛鳥」 は、今後の自分をうまく表現していると思えて。
あとは初めてアメリカに来た時に、目的地として最後に辿り着いたのがアリゾナのフェニックスだったというのにも、何かを感じたんですよね (笑)。

ふたつめの 「安宿」 というのは、渡来人がその昔日本に来た時、安住の宿とした場所のことを「安宿」と名付けたことに由来しています。「安宿」はもともと朝鮮語でアンスクと読むのですが、それが訛ってアスカと呼ぶようになったという説があるそうです。そして安住という言葉は、「何の心配もなく落ち着いて住むこと」、そして 「それ以上を望まず、現にある境遇に満足している」という意味で用いられている。

もともとMICKという名前は、世界を旅をしていた時に生まれたものなんですが、当時のパスポートナンバーの末尾の数字が39(ミック)だったというのもあって。まだ他にも由来はあるのですが、とにかくその時に感じていたのが「世界を見せたい、世界は広いんだ」ってこと。MICKが死にまで追いやられた原因は ”差別” だったので、いつか世の中が差別なんて馬鹿げた事で、人類に区別も糞もないと気づくことができた暁に、彼(MICK)が世界中どこへ行っても安らぐことができるようにという願いが「安宿」には込められているんです。

最後に「アスカ」について。インドでは「アスカ」には、「理想の楽園」という意味があるそうです。名前は自分の人生として捉えていてるので、自分の理想を描く人生を創造したいという気持ちが込もっています。
自分はいつも孤独で、一匹狼で、一人ぼっちだった。人間関係も空回りで、差別も受けて、楽園なんて呼べる程の人生は歩んで来れていなかったんです。だから、これからは1人じゃなく、本物の仲間を作って、自分の理想を描く楽園、世界を創造したいという気持ちです。

「Louis」については「Asuka」と比べるとさほど深い意味を持っているわけでないのですが、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)に強く影響されています。世界を代表する有名ブランドで、ずっと憧れていたので。アーティストとして、そのくらいの名声や富を手にしたいという欲があります。
ちなみに、自分には生まれた頃の記憶があるんですが、生まれてから初めてみたブランド物がお母さんのヴィトンのトートバッグだったんですよ。なのでそこにもまた因縁めいたなにかを感じて。ルイ・ヴィトンはもともと旅行用トランク専門店として始まったんですよね。だから、いずれ自分も他人に強い影響を与えられるほどの大きな存在になれたのなら、ヴィトンのトランクを持って、世界中を周りたいです。それこそ、「安宿(やすやど)」を転々としながら。

ルイ・ヴィトンの影響もありますが、読み方が「ルイス」ではなく「ルイ」なのは、漢字で「月星」と書いて ”ルイ”と読む事ができるからなんです。Asuka Louis として初めて Sound Cloud にアップロードした楽曲は ”Moonlight”、そして、MICKとして最後に仕上げた曲は “Stars” だったというのも、自分の中ではごく自然な流れでした。

これ以上はあまりに長くなるので省きますが、とにかく自分は「月」や「鳥」に特に深い結びつきがある人間なんだと感じています。

 

前作の『LAST EMO』は長い間抱えてきた葛藤や別離がメインのメッセージだったと思いますが、”Asuka Louis (アスカ・ルイ)” としてのデビューEPとなる『ROCK BAZOOKA!!』はどんなテーマで制作したのですか?

そうですね、『ROCK BAZOOKA!!』を聞いてくれた人たちはすでに分かっていると思うんですが、凄く前向きになれる涼しげな楽曲を用意しました。
『LAST EMO』があまりにも辛いアルバムだったというのもあって、リボーンした自分にとっては、悲しませた人達に少しでも前向きな気持ちになって欲しくて。
楽曲のメロディや歌詞の雰囲気的に、このEPは必ず夏に出そうと思っていました。
今回のEP、”Cry baby” 以外はメロディもリリックも、レコーディングもすべて合わせて6日で作り終えました (笑)。SNSでバズらせたいというよりは、ライブで披露したら間違いなく沸かせられると思ったので、もうノリとバイブスで一気に作りあげた感じです。絶対に日本でライブします!

 

EP制作時の様子を動画で一部公開されていましたが、この作品はしばらく暮らしていたユタ州を離れ、アメリカ国内を一人で移動している最中に制作を進めていったのでしょうか?作品にはひとりで過ごす時間の孤独さ、それと抱えつつも先へ進むというポジティヴな意思が込められているように感じられましたが、道中での時間が作品に影響しているのでしょうか?

そうですね、もうユタに居る意味が無くなったので。というより、プライベートでも色々あって。ずっと住んでいたアパートに日本人留学生が待ち伏せていたり、なんなら真下に住みはじめた子も居たみたいで、プライバシーもなにも無くなってきて、呆れることも多くて。基本的に、MICKのファンは真面目で謙虚な方が多いんですよ。でもやっぱり中にはそういうファンもいるんだなぁというか、そうなってくるともうファンでは無いですよね、やっている事が。正直、ファンに対しての考え方がネガティブになった時期もありました。

それでユタから離れたのですが、移動してる最中というよりは、Eastern States(東部の州)に着いてから作った感じかな。アパートも結局見つからずに、ホテルを一泊予約した状態で出ていったので、荷物を全部積んで30時間くらいドライブしたんです。ホテルを転々としながら楽曲制作をしていました。勿論ひとりは楽では無いし、辛いと思う時もあるけれど、そこから学べる事も沢山あると思っています。「自分」というひとりの人間が居るだけで意外とやっていける。だから辛くても、自分で自分を励まして前に進もう、そう強く思うことができたんです。

 

“VIBING!”の歌詞やヴォーカルレコーディングはたった2時間ほどで完成されたというエピソード もありました。リリースのタイミングを考えても、驚異的なスピードで作品を作っているように感じられますが、今作のプロダクションはどのように進められたのでしょうか? 楽曲制作のヒントや前作からの進化について、今作での新しい挑戦などもあれば教えてください。

“VIBING!” はヴォーカルだけでなく、メロディラインとリリックも含めて2時間で出来ましたね。言おうか迷っていましたが、“VIBING!” は「未来で起こる伏線」をそのまま歌詞に起こしたんです。そんな事をする予定もないし、なるとも思わずに作ったんですが、EPをリリースしてから無意識に同じ事をしてたんです、ごく自然な流れで。前回『LAST EMO』についてのインタビューでも触れましたが、アバウトにいうと、自分に起こりそうな未来を感じとる能力がある気がする。

制作のスピードは早い時もあれば、遅い時もあります。でも、俺はもっとやれると思っているし、今後なにかを起こせるという自信もある。そして、確実に成長を感じています。さっきも言ったとおり、今回の作品は東部の州に到着した時ホテルの滞在中にサクッと作った感じなんですが、とにかく今いる場所は今まで居た西側の州とは真逆の雰囲気があって、色んなインスピレーションをくらったので、それの影響も強いと思います。

 

MICKのVlogをチェックしていたファンのみなさんは ”Asuka Louis (アスカ・ルイ)” が現在どのような生活を送っているのか、とても気になっていることと思います。最近ハマっていることや、近況はどうですか?

最近ハマってるのは、ドリフトですかね (笑)?
友達がイカついBMWを持ってるんですけど、いきなり「飯食いに行こう」って誘われて車に乗ったら、道中でめちゃくちゃドリフトするんですよ。森の中で、マジで死ぬかと思ったんですけど、途中から想像以上に楽しくなってきて (笑)。

俺のやる事なす事に周囲の人間が影響を与えかねないことはわかっているから、あまり変なことを言うのは避けたほうがいいとは思うんですけど。とはいえ、Asuka Louisとして応援してくれるファンはファミリーみたいなものだから。俺はもう好き勝手やるけど、俺みたいな馬鹿をやっても後悔するだけ。お前らは周りにいる人間の事を考えて、何が正しいのかって事をちゃんと考えろよ!ってことは言っておき
ます。

 

YouTubeをもう一度やって欲しいという声も多々見受けられますが、動画制作を再開するつもりはありますか?

はっきり言って、無いですね。あのスタイルでVlogを作る日本人向けVloggerは他にいないですし、そういった動画が見たいという気持ちはとても有り難いです。ただ、素直に嬉しいと思いたい一方で、結局はそれが Asuka Louis としての自分を否定していることにもなるんですよ。苦しめられて、消えた彼(MICK)という存在が無理に呼び戻されているようにも感じられて。人生の残業を強いられているような気になってしまう。だから、MICKを本当に愛してくれていたファンには、彼が最後に夜空の星に願い、消えたからこそ生まれた今の自分 = Asuka Louis を応援して欲しいという思いです。

 

コロナウイルスの収束時期がいまだ不明瞭な中ではありますが、今後ライブについての予定などはありますか?ライブが実現するとしたらやってみたいことなどはありますか?

ライブ後にサイン会とかやってみたいっすね…!一人一人のファンの顔を覚えて「あ、この前来てくれたよね!」みたいな流れ、昔から憧れがあるんです。SNSだと色々あってどうしてもしっかり話せないので、直接みんなと話したい気持ちでいっぱいです。なんならそれが一つの原動力にもなってます。MICKはきっと、MICKとしてファンに会えなかった事が唯一の心残りな気もしています。いろいろと良くない事もあったりもしたけど、ライブができて、自分の曲でファンが熱唱してくれる未来があるのであれば、今起こってる不幸な事も笑って受け止められますね。全然余裕ですよ。そんな幸せな未来があるなら、俺は負けるつもりはないです。

 

『ROCK BAZOOKA!!』はまさに ”Asuka Louis(アスカ・ルイ)” としての出発の作品となるわけですが、インタビューの最後に、このデビュー作からまずみなさんに聴いてもらいたいと思う1曲の紹介、そしてファンへのメッセージをお願いします。

まずは、ここまでインタビューに目を通してくれた方に感謝します。本当にありがとうございます。
Asuka Louisとして初のEPとなる『ROCK BAZOOKA!!』の楽曲は、自分に将来必ず起こるであろう出来事の伏線、避けたいと思う運命、そして今後のAsuka Louisについてを綴っています。

なかでも最後の曲「iNORI」は僕の大好きな曲です。Asuka Louisの価値観、カルマ、愛、運命、希望… 全てを融合して創作した曲。
テロ、戦争、この瞬間に死ぬという運命を背負う人間もいます。それをカルマと呼ぶ人もいますが、人間にはちょっとしたきっかけで死が突然やって来るという、残酷で冷酷な運命も存在します。

俺は、俺にしかない運命がある事が分かった。そして、それを成すまでは死ぬことが出来ないし、果たした後はいつ死ぬか分からない。でもその運命を果たすまで「俺は不死身」だということ。だから、自分はそうじゃないと思うなら、自分にしかない運命ってものがある事を信じて、それが嫌な宿命なら死ぬ程もがいて逆らって、自分自身に祈って、誰か思う人があればその人も祈って。
突き進んで欲しい。そして、今後とも見守ってくれると嬉しいです。