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シンセサイザー・ドラムマシン / お手軽ハードウェア導入のススメ

PCやスマホだけでトラックを作っていると、似たようなサウンドばかり作ってしまったり、制作に飽きてきてしまうことはありませんか?

Ableton が公開している制作Tips動画シリーズ “One Thing” の中で、アルゼンチンのエレクトロニックアーティストであるCatnapp は、KORG社製のシンセサイザーであるMICRO KORGを直感の赴くままに弄って偶然見つけた音をサンプリングし、自身にとっても新鮮味のあるトラックを作り上げています。

新鮮さや驚き、刺激を制作プロセスに取り入れる方法は決して一つではありませんが、多くのアーティストがその一手段としてシンセサイザーやドラムマシンといったハードウェアを利用しています。

今回の記事では、同じようなお悩みをお持ちの方にも役立つよう、制作にハードウェアを取り入れてみるためのポイントをご紹介します。

「興味はあるけど、扱うのが難しいのでは?」

「お金がたくさんかかりそう・・・」

といった疑問やお悩みに関しても、お役に立てる内容を盛り込んでいますので、ぜひ読んでみてください!

存在感のあるアナログサウンド
音の調整やフレーズ作りがダイナミックに。1人でのジャムも楽しい!
ベッドやソファ、家の外でも気軽にアイデアがスケッチできる

▼ 存在感のあるアナログサウンド

ハードウェアとしてのシンセサイザーやドラムマシンは「音が太い」「ハリがある」「帯域が広い」といった理由で、ソフトウェア音源に出せない印象的な音を求めて、多くのプロアーティストに現在も利用されています。

これらのハードウェアが印象的な音色になる理由としては、電源の使い方がPCよりもパワフルである、今は希少なものになっている部品が使われている、など様々なものが挙げられています。

日本人コンポーザー/アーティストである Kotaro Saito が公開している動画では、非常にポップでキャッチーな楽曲の制作においても、Roland や Moog といったメーカーのシンセサイザーをふんだんに使用し、サウンドをリッチに作り上げている様子をみることができます(ブログInstagramからもハードウェアに対する多大な知見や情熱を窺い知ることができます)

▼ 音の調整やフレーズ作りがダイナミックに。1人でのジャムも楽しい!

様々なシンセサイザーやドラムマシンを使用してライブパフォーマンスや日本人アーティストの Yebisu303 が公開している動画では、コンパクトな機材のセットから、存在感のある音色で、有機的かつダイナミクスのあるアシッド・ハウスのパフォーマンスを楽しむことができます。

シンセやドラムマシンはノブやスライダーなどにより、様々なパロメータを直感的に操作することが可能です。上の動画では、ドラムマシンであるRoland TR-8で各ドラムトラックの音色を変えたり、ボリュームを上げ下げするだけでも、数小節のループに様々な表情が加わり、さらにモノフォニックシンセのPioneer TORAIZ AS-1のつまみを少しずつ動かすことで、高揚感を付与していることを感じ取ることができます。

特に、これらのような比較的近年にリリースされた小型のハードウェアは、搭載されているノブやスライダーのひとつひとつに様々な機能が集約されていることが多く、少しの操作だけで過激に音色を変えることも可能です。そのため、一度触り始めると病みつきになってしまう魅力があり、また、あらかじめ搭載されているプリセットの音色も豊富なことから、はじめてのハードウェアとしてはとてもおすすめです。

また、ルーマニアのアンダーグラウンドハウス/テクノプロデューサーであるKiNK は、ステイホーム中に自分1人や、パートナーとともに行った自宅マシンセッションの様子を、自身のInstagramなどで多数公開しています。

この動画ではPioneer のサンプラーSP-16を使用し、リアルタイムにループを作成していますが、サンプリングやループ機能を備えた機器であれば、このように自宅からのライブパフォーマンスを披露する際の中核にもなります。自宅の外でのセッションやパフォーマンスの機会が以前のように戻るのにはまだ時間がかかりそうな状況ですが、そのような中での活動のヒントにもなり得るのではないでしょうか。

▼ベッドやソファ、家の外でも気軽にアイデアがスケッチできる

現在、シンセやドラムマシンには、電池駆動が可能かつスピーカーが搭載されている製品が数多くリリースされています。
その中でも、KORGが発売しているVOLCAシリーズは、多様なラインナップとそのコンパクトさで、携帯製に優れたハードウェアとして名を馳せています。

1台あたり、おおよそ1万円台で入手できる価格の安さもその魅力のひとつと言えるでしょう。

VOLCAシリーズを愛用しているユーザーからは、複数のラインナップを外に持ち出して、電池駆動でセッションをする様子も公開されています。

自宅のスタジオだけではなく、ベッドの上やソファ、もしくは公園などのリラックスできる場所で、アイデアをスケッチすれば、自分の楽曲にまた違った空気を送り込むことにつながるのではないでしょうか。

ほかにも、RolandのBoutiqueシリーズや、YAMAHAのRefaceシリーズなど、往年の名機をコンパクトなサイズでリモデルした製品の多くも、電池駆動し、かつスピーカーを搭載しています。出したい音色だけではなく、フレーズを作りたいのか、それとも純粋に演奏を楽しみたいのかによっても、気軽に使い分けをすることが可能です。

もちろん、これらのラインナップも、純粋なアナログサウンドとは異なるモデリングサウンドの場合はありますが、ソフトウェアの音とはまた違った存在感のあるハイクオリティなサウンドを兼ね揃えています。ですので、ぜひ、このようなプロダクトでこまめにフレーズやサウンドを作り、それらをストックして、自らの楽曲に利用していくことをおすすめします。

今回ご紹介した製品は、その小ささや手軽さから「サウンドガジェット」と呼ばれることも多々ありますが、その名の通り、自らのおもちゃとして持ち歩き、いつでも気ままに遊ぶことで、自らの心の奥から溢れ出る音で、作品のヒントをつかみやすくなることが、このようなプロダクトを手に入れる一番の醍醐味だと考えます。

こちらの動画はハードウェアを使用しているわけではありませんが、身の回りにあるものや、自分の声を使った「遊び」によって曲の素材をサンプリングしていく様子として、Rachel K Collierが自身の制作プロセスを紹介している動画を共有させていただきます。

今回の記事でご紹介したものだけにとどまらず、現在は様々な音楽用のハードウェアを入手することが可能になっています。また、より直感的に扱うことができて、手に入れやすい価格のラインナップもたくさんあります。

音楽制作に新しいインスピレーションや刺激を得る方法は様々ですが、そのうちの一つとしてぜひトライしてみていただけたら嬉しいです!