DTMで楽曲制作をされる方にはサンプリング音源の使用は馴染みのあるところですが、
サンプルを使用した制作とはどういったものかを含め、今回のブログではサンプリング音源を提供するSpliceと、新サービスTracklibについてご紹介していきます。
サンプリング音源とは
著作権フリーで、自分の楽曲に使用できる音源を指します。
<サンプリング音源を使って制作するメリット>
・キャッチーなフレーズ等を楽曲制作に取り込める
作曲が出来なくても、もしくは違う制作アプローチを試す場合にも向いているでしょう。
・プリセットのサウンドに違いを作れる
音源のライブラリーを試聴して回る事で、予想外のアイデアが浮かんだり、サンプルの重ね方次第でオリジナルのサウンドを生み出せたりする事もあるでしょう。
・主なサンプリング音源入手方法
サンプリング音源を販売するサイトでダウンロードしたり、Spliceの様なサイトを利用する事が主ですが、今回はSpliceとTracklibとの比較をしていきます。

SpliceとTracklibの比較
Splice | Tracklib | |
ライセンス | フリー | フリー |
デスクトップアプリ | あり | なし (Loop Player) |
価格 | $7.99 (100 DLs) | $5.99 (Essential) for 5 トラック |
$13.99 (300 クレジット) | $13.99 (Standard) for 15 トラック | |
$21.99 (600 クレジット) | $29.99 (Professional) 35 トラック | |
$29.99 (1,000 クレジット) | ||
+α | Rent-to-Own, MIDI | 音源のみ |
対応 | ワンショット | マスター/マルチトラック |
Spliceの特徴
ライブラリの管理
ジャンルごとに豊富なライブラリーが作られており、デスクトップアプリによって自分がダウンロードした音源を管理出来て非常に便利。

Rent-to-Own
ソフトシンセをレンタルできるサービス。例えば189ドルのSerumも、月約10ドルからレンタル出来て、189ドルに達した時点で購入した事になります。

その他にもシンセ用のプリセットなども多数用意されており、サービスの幅広さも魅力。
Tracklibの特徴
過去に発表された、サンプリング可能な音源を提供するサービス
例えばヒップホップという音楽の魅力にサンプリングが挙げられるのは間違いなく、過去の偉大な曲、生み出された名フレーズを現代に蘇らせる、画期的な制作手法でした。
昨今では著作権保護への意識が高まり、ルールも整備出来ている事から、何でもサンプリングできる訳ではありませんでした。
しかしTracklibの提供するサービスにより、ライブラリーはある程度限られても、再びサンプリングという手法で新しい音楽を作り出せる可能性を明示していると言えるでしょう。
世界で最もサンプリングされていると自ら語るBob Jamesをはじめ、アフリカンジャズや、ジャンルは幅広く網羅されています。Missy ElliotやNasのIllmaticにインスパイアされたコレクションなどもチェックしたいところ。ものによってはマルチトラックでもダウンロード可能になっています。

※Spinnupでサンプリング音源を申請する場合は、こちらのFAQ記事の「その10」をご参考になさってください。
Spliceとの違い
・サンプリングされる事を目的としておらず、リアルでプリセット感のない音源を揃えている
・料金が高めに設定されているが、著作者の使用許諾書を得る必要がない点で利便性が高い
・デスクトップアプリが無い為、DAWユーザーには不便なところもありますが、サンプラーを使用しているユーザーには特に負荷がかからないでしょう
サンプリングを生かすハードウェア・サンプラー
ダウンロードしたサンプリング音源を扱う方法として、上記のサンプラーによる制作が挙げられます。2021年11月にはRolandからSP-404のMK IIが発売されますね。USBによってPCとサンプラー間で容易にサンプルを移動できるのでおすすめです。

https://www.roland.com/jp/products/sp-404mk2/
Tracklibとサンプラーのコンビネーションを試してみるのもいいのではないでしょうか。